[書評] 科学的根拠で子育て ー 子育てのそれって意味あるの?と思ったら読む一冊
今日は子供の教育に関して、実施された施策に対してどういう効果があると科学的に考えられているのかをいろいろまとめて説明してくれる「科学的根拠で子育て」を読んだのでその紹介です。
どんな内容の本か?
子育て世代のみなさん、子供のためにと思ってやっていることって、どれくらい効果があると考えられているか?調べたことはあるでしょうか?
私自身、調べようと思っても専門とかけ離れ過ぎていて調べ方もよくわからないという状態でした。
この本では、そんな私のように専門家ではない人向けに、子育てにおける取り組みとして一般的に考えられていることに対して、実は効果が無かったことや、世の中の通説と逆のことを示す研究があるものを中心にいろいろ紹介してくれています。
個人的に一番面白かった話として、第1志望校ビリと第2志望校トップどちらが良いか?という話が第6章に書いてあります。
そもそもなぜ偏差値の高い学校に合格してほしいと思うのかいろいろあると思いますが、一つは学力の高い友人から刺激を受けて子供にも成長してほしいと思っていると思います。
これに関して、
アメリカのフロリダ州の公立小中学校の児童生徒のデータを分析した研究は、もともと学力が上位20%の児童生徒は同じクラスに自分と同様に学力の高い同級生がいることで学力が上昇しますが、もともと学力が下位20%の児童生徒は同じクラスに学力の高い同級生がいることによって、むしろ学力が下がってしまったことを明らかにしています。
科学的根拠で子育て, 中室牧子
ということが書かれています。
というわけで、下手に自分の実力よりも高い学校にいくと、学力という面では逆効果になる可能性があるということです。
これに関して、まさにこれと似たような実例を見たことがあったので納得感があり面白かったです。
これ以外にも例えば、共学と別学(男子校、女子校)でどちらがいいのか?や、スポーツをすることで年収が上がる話などいろいろな話が盛り込まれた本になっています。
どんな人にお勧めか?
個人的には以下の人のような人にお勧めです。
- 子育中で、子供に対して何をしてあげたら良いのか悩んでいる方
- 子育てに関する研究をいろいろ知りたい方
特に自分は子育て中で何が子供のためになるのかわからない状態だったということもあり、今回の本は読んでいろいろ勉強になりました。また、この本は日本人の方が書いてくれたにしては圧倒的にリファレンスがちゃんとしており、Kindleだとラスト20%は全部リファレンスという状態でした。このため、この研究が気になるので論文読みたいと思った際、どの論文から来ている結果なのか調べることができるため、子育てに関する研究について知りたい方にも非常に有用だと思っています。
個人的に良かった点
- 自分が漠然と感じていた子育てでこれがいいのではないか?と思ってたことに対して研究がすでにあり効果が確認されてたことを知れた
- リファレンスがちゃんとしており、信頼度が高い
まず1に関してですが、自分の経験からするとこういうことをしたら良かったというのがいろいろあると思います。それに関して本当に良いのかどうか自分一人の経験だとよくわからないことがあります。これに関して、そのようなことがすでにいろいろ研究されていたというのを知れて良かったです。
また、日本人の方の本は読みやすさ重視なのか研究結果を紹介しているのにも関わらず、リファレンスがついてないという書籍が本当によくあります。このような本は何を根拠にいっているのかよくわからなくて、どこまで信用していいか判断がつかないと思ってしまうことが多々あります。
一方この本は重要な研究に関してはちゃんとリファレンスをつけてくれているので気になる研究に関して、論文を見つけられるようになっています。このような本がこれから増えてほしいと切に願っているので、良かった点に上げました。
終わりに
今回は「科学的根拠で子育て」を読んでいろいろ勉強になったので記事にしました。
定期的にこのように本の紹介記事を書いてます。もし興味があれば他の本の記事も見ていただければ幸いです。