AIを使ったソフトウェア開発の書籍まとめ(2025/1版)
あけましておめでとうございます。今年も読んだ本や勉強したことのまとめを記事にして、少しでも皆さんのお役にたてればと思っていますので、よろしくお願いいたします。
さて、新年一発目の記事はAIを使ったソフトウェア開発の本を3冊読んだのでまとめて紹介しようと思います。
2024年はAIの実応用が様々な分野で出始めてきた印象を持っています。その中でもソフトウェア開発は、使い方のノウハウや各種ツールがいろいろリリースされて、これからどんどんAIを使ってソフトウェア開発がされていくんだろうなと誰もが思っているかと思います。
ただ、みなさん、実際にAIを使ってソフトウェア開発をどれくらいしているでしょうか?私も昨年末までは簡単にはGitHub Copilotを仕事や趣味で簡単に使っている程度でAIを使いこなしてソフトウェア開発をしている!と自信を持っていえる状態ではありませんでした。
このため、年末年始の休みはいい機会ということで、AIを活用したソフトウェア開発について学べる本をいくつか読みました。今回は読んだ本のうち3冊をまとめて紹介しようと思います。
目次
生成AI時代の新プログラミング実践ガイド Pythonで学ぶGPTとCopilotの活用ベストプラクティス
GitHub Copilot以外にもChatGPTやOpenAI API、LangChainなど、幅広いAI活用法について紹介している本で、GitHub Copilot部分に関しては実際にwebアプリケーション開発の例なんかも載っていてわりと活用イメージをすぐに持てる本です。
この本の特徴を簡単にまとめると以下の通りです。
- GitHub Copilot以外の内容も充実
ChatGPTやOpenAI API、LangChainなどの使い方も説明されていて、AI全般に関する知識を獲得できます。ただ、GitHub Copilotだけを詳しく知りたいと思っている場合は思っていたものと違うという印象をもつかもしれません。 - GitHub CopilotとChatGPTを使った開発例がいい
例としてGitHub Copilotの簡単な機能紹介だけではなく、ChatGPTを使った要件定義から、実際にCopilotでコードを書き上げる流れまで一連のプロセスが1章分かけて分かりやすく紹介されていました。この部分は読めばすぐにでもChatGPTとGitHub Copilotを使った開発の手順がイメージできたので、個人的に非常に良かったです。
コード×AI ー ソフトウェア開発者のための生成AI実践入門
先ほどの本(「生成AI時代の新プログラミング実践ガイド」)が「ChatGPTとGitHub Copilotを使ってすぐに開発する手順」が分かりやすくまとまっていたのに対して、こちらの本は「AIとは何か」「ソフトウェア開発にどう活かすか」という 概念的な解説 が多い印象でした。
この本の特徴を簡単にまとめると以下の通りです。
- 特定のツールに依存しない汎用的な説明
Promptの改善の仕方など、概念ベースの解説が多いため、すぐに知識が陳腐化してしまうリスクは少なそうです。一方で、具体的なツールの使い方に重点を置いていないため、「これを読んですぐにAI開発ができる!」という即効性はあまり感じませんでした。 - 実践するには練習が必要
提示されているPrompt例はあくまでベースであり、こういう時どうすればいいのかについての深い言及は少なめな印象でした。このため、ただ読むだけでは活かせない知識が多く、この本で得た知識を使いこなすにはしばらくいろいろ手を動かしてみる必要があると思いました。
AIエディタCursor完全ガイド やりたいことを伝えるだけでできる新世代プログラミング
普段VSCodeを使っている身として、「最近よくきくCursorって、使い心地はどうなんだろう?」と気になり手に取った一冊です。この本は初心者でも分かりやすく、実践的な使い方が豊富に紹介されているので、「こんなことまでできるのか!」を体感しながら読める内容でした。
この本の特徴を簡単にまとめると以下の通りです。
- エディタとしてのCursor活用例が充実
単純な画像変換やPDF結合など、ちょっとしたスクリプトでできそうな作業から、iOSアプリ開発にまで踏み込んだ事例が取り上げられており、やりたいことに合わせてCursorを使いこなすイメージがつかみやすかったです。 - すぐに試してみたくなる
手順が丁寧かつ実用的なため、読みながら「すぐにでもこれを試してみたい!」と思えるものが多く、Cursorでいろいろ試しながら読み進めていました。
こういう人にお勧め
今回読んだ3冊は、意図せず全然違う3冊でした。それぞれどういう人にお勧めかを簡単にまとめると
- すぐに開発に導入してみたいなら
「生成AI時代の新プログラミング実践ガイド」が、ChatGPTとGitHub Copilotを連携させてコード生成まで行う流れを具体的に解説してくれるので、実践的な入門書として最適に感じました。 - 概念から学びたいなら
「コード×AI ー ソフトウェア開発者のための生成AI実践入門」は、AI全般の仕組みやPromptの考え方など基礎がしっかり学べます。ただし、即戦力というよりは理解を深めるための本といった印象です。 - 新しいAIエディタを試してみたいなら
「AIエディタCursor完全ガイド」は、Cursorというエディタの便利機能を豊富な事例とともに紹介してくれるので、今までVSCodeなどを使っていた方にも新鮮な発見がありそうです。
終わりに
それぞれの本を読んだことで、AIを開発に取り入れる際のイメージが具体的になりました。ツールやフレームワークの選択肢は多く、一長一短がありますが、まずは自分が取り組んでいるプロジェクトや学習スタイルに合ったものを試してみるのが大切だと思いました。これからもAIを活用したソフトウェア開発の動向や事例を追いかけつつ、積極的に活用していきたいと考えています。
またこれまでもいろいろ本の紹介記事を書いていますので、他にも興味がある本がありましたら是非読んで見てください。