[書評] 大規模言語モデルは新たな知能か ー 専門家じゃない人がChatGPTの技術的なことを知りたいと思ったら最適な一冊
今回は「大規模言語モデルは新たな知能か――ChatGPTが変えた世界」を読んだのでその書評回です。
どんな内容の本か?
ChatGPTをいろいろなところで目にしますが、そもそもChatGPTってどういう仕組みなんだろう、今までの機械学習のモデルとは何が違うんだろう?と思ったことはないでしょうか?
ChatGPTが流行り始めたとき、そのような内容のblogをよく見ましたが、この本では一般的な人向けに、利点やリスク、今後どう付き合っていくべきか?などに加えて、どうしてChatGPTみたいなものが生まれたのかという点について時系列でどのような研究があったのかを紹介しています。
専門家じゃない人は突然ChatGPTみたいなものができるようになったように思いがちかもしれませんが、着実な進歩の上に成り立っている技術であることがわかると思います。
どんな人にお勧めか?
個人的には以下のような人にお勧めかと思います。
- ChatGPTにはどのような利点やリスクがあるのかを知りたい方
- AIの専門家ではないが、ChatGPTに関係する研究の流れなどを知りたい方
- 言語モデルについて何も知りたいから勉強したい方
普通の社会人の方は1の方が多いと思いますが、この本は一般人向けに書かれているので、難しい話はほとんどなくサクサク読めるのでお勧めです。また、言語モデルの専門家ではない人が軽くChatGPTがどういうものかを知りたい場合も良い本かと思います。
一方、専門家の方はおそらくよく知った内容が多いと思われます。このため物足りない内容になっていると思うので、そういう方はあまりお勧めはしません。
また、ChatGPTについての具体的な使い方や使いこなすコツみたいなものは書かれてないので、そのあたりが知りたい方も注意してください。
個人的に良かった点
個人的には以下の点が良かったです。
- ChatGPTについて幅広い内容を押さえていて、まずこれを読むといいという本になっている
- 利点やリスク、今後どうChatGPTに付き合っていくべきかの作者の考えているのかの一端が分かる
ChatGPTについてはいろいろなblog記事や本がでています。その中でも「どんな内容の本か?」で述べた点については1冊にまとまっていて分かりやすかった印象です。
また、実は作者は直属の上司で、普段話していて利点やリスク等についての考えの概要みたいなものは知っていました。ただ、このような本になっていると話しているだけではわからない細かいつながりも理解できて良かったと思いました。
終わりに
今回は「大規模言語モデルは新たな知能か――ChatGPTが変えた世界」を読んだのでその書評回です。
他にも毎週1冊は本の書評の記事を書いていますので、本が好きな方は他の記事も見ていただけると幸いです。