[書評] 改訂独習Pythonバイオ情報解析 ー バイオのテーブルデータ解析することになったら読む一冊
今回は「独習Pythonバイオ情報解析」の改訂版「改訂独習Pythonバイオ情報解析」が出たということで読んだので、その紹介になります。

どんな内容の本か?
年度が変わり、新しい研究室に入ったり、就職した方で「このバイオのデータを解析して」って言われたらどうしますか?
私は今の会社に入った最初、いきなりヒトのとあるテーブルデータを渡されて解析の仕事をすることになり、「困ったぞ」となった記憶があります。
そんな私のような「困ったぞ」となったと思った人にお勧めなのが「独習Pythonバイオ情報解析」で、Pythonを使って特にテーブルデータを扱う人は共通して使える知識が詰まった本になっています。
特に改訂版になってLLMを使った解析の流れの説明や注意点などが増えていて、これから初めて解析をするぞという人は読んでおくとよさそうなことがいろいろ書いてあります。
一方、この本に向かない人はどんな人かというと、テーブルデータではない解析、例えば最近ありそうなのはタンパク質の立体構造系の話などはこの本はあまり参考にならないと思うので別の本を読んだほうが良いかと思います。
例えば最近私もこの辺では以下の本を読んで勉強しています。
どんな人にお勧めか?
今回は以下のような人にお勧めかと思います。
- Pythonがわからないというプログラム初心者
- テーブルデータ解析の注意点がわからないという人
この本ではPythonに関して、かなり初級者向けに詳しく紹介してくれています。このため、プログラムが初心者という人が最初に読むにはちょうどよさそうに感じます。また、後半ではsingle cellデータを対象にテーブルデータを解析する上で使いそうな検定の話やクラスタリングの話などが出てきます。このような技術はただ使うのであれば大した知識もなく使えるのですが、結果をちゃんと解釈するとなると、今回のケースで適切な検定方法なのかや、適切なパラメータが使われているのかなど、幅広いことを考える必要があります。
このようなことが今回の本ではちゃんと書いてある印象なので、この辺を詳しくないという人は一度読んでみることをお勧めします。
個人的に良かった点
個人的に良かった点としては以下の点です。
- 改訂版になってLLMを使った例が最初に入っていて参考になった
- 忘れがちな解析の注意点を思い出せた
特に良かったのが1が個人的には良かったです。第2章のLLMを使った章を書いた東君のXを時々見て、そんな使い方できるだーというのは飛び飛びで知ってたのですが、今回ちゃんと本にまとめてくれたおかげで、理解しやすかった印象です。
また、後半の検定やクラスタリングなど私自身最近使ってないので、忘れてたことが多かったのですが、そういえばこういう注意点があったということが思い出せたので良かったです。
終わりに
今回は「改訂独習Pythonバイオ情報解析」が出たので紹介の記事を書きました。バイオインフォマティクス周りは変化が激しく、古い本では知識が古くて使い物にならないケースもあるのですが、今回のように改訂版がでて、ちゃんと新しい知識が増えた本がでて非常にうれしく思います。
定期的にこのように本の紹介記事を書いてます。もし興味があれば他の本の記事も見ていただければ幸いです。